パパは修行で家にいません

SFC修行、ホテル修行、マイルの活用方法、オマケに虎ノ門周辺のランチ情報も

SFC会員ってお得なの?:SFC修行(2)

飛行機の座席にエコノミークラス、ビジネスクラス、ファーストクラスがあるのは、ご存知だと思います。最近では、エコノミークラスとビジネスクラスの中間にあたるプレミアムエコノミーという座席も増えています。これらはシートや旅行中の食事といった機内サービスが異なるのはもちろんですが、チェックインから搭乗までの地上サービスにも付加的なサービスが提供されています。ビジネスクラス以上に提供されているものでは、優先チェックイン(カウンター)、空港ラウンジ利用、優先搭乗、手荷物取り扱いの優先(プライオリティタグ、手荷物許容量の追加)などが、代表的です。航空券のチケットは路線にもよりますが、ビジネスクラスの料金はエコノミークラスの2〜4倍、ファーストクラスはエコノミーの10倍以上はかかりますので、これくらいのサービスは当然でしょう。ただ、旅行の度にこうした高価なチケットを購入できる人はよほどの資産家か社会的な地位の高い人に限定されます。

航空会社では、毎回、ビジネスクラスに乗ることはできないが、出張等で搭乗回数の多い顧客に対して、営業戦略上の囲い込みを企図して、「上級会員」を設けています。そして上級会員に対して、ビジネスクラス以上の地上サービスを特典的に提供しているのです。これは、エコノミークラスのチケットによる旅行であっても、適用されるので、たいへんな優遇と言えます。主なターゲットは、出張ではビジネスを使うが、プレイベートではエコノミーを使うような出張族でしょう。いつもビジネスを利用する顧客にとっては、普段から地上サービスの優遇を受けているので上級会員になるメリットは小さいでしょうから。ただ、こうした上級会員になるには、とてもたくさんのフライトをこなす必要があります。ANAの場合、ビジネスクラス並みの地上サービスを受けることができるステータス(プラチナメンバー)は50,000プレミアムポイント(PP)を要します。プレミアムポイントは、ANAのステータス獲得のための特有の単位なので、「飛行マイル」とも異なります。私自身のSFC修行は比較的効率の良いものだったと自負していますが、それでも国際線を中心に13フライトを要しています。国内線主体の修行もありますので、その場合は本当に気の遠くなる回数のフライトが必要です。また、金銭的にも、1PPの単価は10 円程度といわれていますから約50万円を費やすことになります。

こうして苦労して獲得した「プラチナ」ステータスも、概ね1〜2年の有効期限があります。これを維持するためには、毎年のように50,000PPを獲得し続ける必要があります。ただし、これにはいわば「救済措置」があって、プラチナステータスのメンバーには、その期間だけ「スーパーフライヤーズクラブ」(SFC)というクレジットカードを作る機会があります。そして、そのクレジットカードを保有し続ける限り、ANAのプレミアムステータスであるSFC会員の資格を維持できるのです。SFC会員は、プラチナステータスとほぼ同様の地上サービスを受けることができるので、(カードの年会費を払い続ける限り)終身のプラチナ相当のステータスを維持できるということです。SFCの年会費は、安いもので年間11,070円(リボ払い等を活用すれば9,477円)ですから、毎年約50万円で50,000PPを獲得する体力的、金銭的な苦労を考えれば、破格の条件と言えます。それで、多くの「修行僧」と言われる人たちがSFC会員を目指すべく「SFC修行」に勤しむのです。JALにもJGC会員というSFCと同様の制度があり、JGC修行僧がいます。

なお、こうしたプレミアムステータスは、世界的にも相当珍しい日本独自のもののようです。日本人としてこの地に生をうけた限りは、やはり目指したくなりますよね!